FreeNASで作る最強のファイルサーバー(ハード編)

HDDを大量に接続できるハードウェア構成として以下のようなものが考えられます。
ポートマルチプライヤPMP
SATAインターフェースカードを大量に使う

ポートマルチプライヤとは1本のSATAコネクタに5台のHDDを取り付けられるよう、分岐する装置です。
その分、転送速度は遅くなりますが取り回しが楽になります。
後者の方法はその名の通り、HDD1本に対して、SATAコネクタ1本を割り当てるというものです。
今回はこの方法を使ってみたいと思います。

なぜポートマルチプライヤを使わないか?というと。
実は今までのファイルサーバー構築には使用していました。
実際に使ってみてわかることは、
・値段が高い(PMP1台につき1万円弱)
・対応しているOSが少ない
ということです。

自分が試したところ、一番安定しているのはWindowsでの使用で、Linuxでは使えることには使えましたが、実際の運用に耐えうる安定性は得られていません。
その上、Windowsでは2TBの壁があり、PMPが満足に使える環境はサーバー系OS。
最低限WindowsServer2003がないと使用することが出来ません。

以上のことからSATAインターフェースを大量に増やす方向で、大容量ストレージのハードウェア構成を決めたいと思います。
この構成ならば、Linux,Unixで使用することも容易です。

マザーボード
SATAインターフェースカードを大量に使うということから、PCIなどのバスが多く使えるマザーボードが必要になります。
今回はGIGABYTE社の「GA-P43-ES3G」(購入先:Arkネット通販 ¥9,980)を使用しました。
PCIスロットが5本、PCIExが2本ついています。
PCIスロットはすべてインターフェースカードに、PCIExpressソケットはNICとグラフィックボードに割り当てることにします。

■CPU
ZFSを導入するということからある程度のスペックが必要です。
64bitに対応していると面倒がないです。
今回は手元にあったCeleron(2.66GHz)を使うことにしました。

■メモリ
ZFSを使う上で最低512MB程度のメモリが必要です。
手持ちの2GBを2枚使用し、4GBのメモリを用意しました。

■グラフィックボード
PCIExpressタイプの適当なグラフィックボードを用意します。
安定稼働を考えると、ファンレスタイプは導入できません。
表示確認にしか使わないので、ファンがついていることを条件に一番安いものを選びました。
玄人志向の安いファン付きのモデルでいいでしょう。

NIC
PCIExpressスロットに刺さる安定しているNICということでIntelの物を使用します。
インテル PRO/1000 PT サーバ・アダプタ EXPI9400PT」
(購入先:Amazon ¥10,850)

■インターフェースカード
PCIスロット5本を使い、SATAを増設します。
RAID機能はソフトウェアで使用するので単なるインターフェースカードで結構です。
今回は玄人志向の「SATA2I4-LPPCI」を5枚用いることで、SATAコネクタを20個増設することが出来ました。
マザーボードと合わせて26個のSATAバイスが使用出来ることになります。

■HDDエンクロージャ
サーバーラックに取り付ける都合上、使用したPCケースはラックマウントケースになります。
PC本体になるラックマウントケースは、フリージアで販売されている「SKYTEC」の「SKI-4800」を使用。
http://www.freesia-net.co.jp/server/case4u.htm

HDDをマウントするエンクロージャとして「センチュリー」の「5代目 技あり!楽ラック!(CWRS5-BK)」を4個使用。
合計20台のHDDマウントに対応しました。
http://www.century.co.jp/products/pc/hdd-kit/cwrs5-bk.html

PC本体にエンクロージャが1つしか入らないため、残りの3つ(HDD 15台)は外付けする必要があります。

5インチベイが大量についているラックマウントケースとして、「IBM NetBAY 0034B0X」を使用しました。
これはDDSテープドライブを複数設置するためのテープエンクロージャで、ヤフーオークションにて入手しました。
新しく制作される方は、5インチベイが9個ある、ラックマウントケースを探し出す必要があるでしょう。


ちなみにSATAのケーブル類は、秋葉原千石電商にて格安で入手することが出来ました。
例を挙げると、一般には1000円以上するSATA延長ケーブルが200円などです。

以上、大容量NASを制作されるかたの参考になればと思います。